(今日の独り言)

 ええと この話題も いろいろとあちこちで取り上げられているようですので 触れておきます
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0705/02/news054.html
株式会社セルシスの公式発表はこちら
http://www.celsys.co.jp/pdf/company/press/2007/CELSYS_News_2007_05_01_Web.pdf (PDFファイルです)

 ええと この文を読む限りでは ターゲットとして 「アニメのせりふやナレーション」を 実用レベルで
「7月まで」にリリースするつもりである事らしいです
個人的には これには 強い憤りを感じますね
もちろん こういう技術を 開発する事自体は悪いとは思ってませんが
『7月まで』って いくらなんでも 声優業を 舐めすぎでしょ?
ちなみに ベースとなるエンジンは こちらのようです
http://www.animo.co.jp/products/tts/fs/demo.jsp
宇宙人とか ロボットの声でもやらせるんでしょうか?

 当然 金を取るレベルで出すんでしょうから 多少は 自然な感じの 音声になったとします
一億歩譲って
田村ゆかりさん 斎藤千和さん 小林沙苗さん 沢城みゆきさん 金田朋子さん 水橋かおりさん 雪野五月さん
子安武人さん 関智一さん 大塚明夫さん 神谷明さん 銀河万丈さん 若本規夫さん その他沢山の
声優の方々に 代わる声を合成する事が 出来たとします
まぁ 無理ですが
先日の なのは の 記事の中で インテリジェントデバイス という 架空の デバイスの 解説をしましたが
「感情がある」というのは 人間じゃないと どうしても表現する事は難しいです
架空の話の中で 「感情がある」という設定の中でも 人間の微妙な表現が 理解しにくいという 表現があるように
あれだけ 世の中が 進んでいるという設定でも 人 と 機械 の 差というものを 表現しています
感情が有る インテリジェントデバイスという 架空の デバイスを 作っておきながらも
あの A'sでのレイジングハートのど根性を 描いていても 都築さんは 人間 と 機械との 絶対的な違いというものを
意識して 描いているわけです

 例えば 落語の世界では お客の 反応を見ながら テンポ や テンションを変化させたり
時によっては 同じ内容でも 言葉を変えたり フォローを入れたりと いわゆる 『アドリブ』 を 入れる事は 当たり前の事です
声優も 当然のことながら 渡された「ト書きとセリフが 全く同じ」でも 声優の 慣性によって 全く違ったものになります
その 「微妙な慣性の違い」というものを 今の プログラムで 表現する事なんて 無理です

 監督 や 音響監督 の 中には 最初に用意されている セリフで やってもらって どうも イメージと 違うなと思ったら
声優さんと 一緒に考えて いろんな バリエーションを試していきます
場合によっては その時の空気を読んで 声優が 反射的に 入れてしまった 『アドリブ』 を採用する事もしばしばです
そもそも アテレコ自体が 「完璧に 噛まずに 用意された セリフを言えたから はい 終わりです」と 短時間で終わるものではないのです
各監督によっては 好きなようにやってみてくださいと 「その声優としての 言葉 や 慣性 を」優先するような 場合もあります
こういうのは 声優の持って生まれた 資質に 賭けている例でもあります
声優の キャラクターがあるからこそ 成立するものですね

 そんなもの プログラムが 感情・慣性 を持たない限り 何百年たっても 無理ですよ
それを 7月までに 金取るレベルで リリースするですか?

 舐めすぎです