(TVA)(CLANNAD 〜AFTER STORY〜) 第12話 『突然の出来事』

脚本
志茂文彦
絵コンテ
演出
高雄統子
作画監督
髙橋真梨子


 まあ たしかに 朋也はこういうコツコツやるような仕事に向いているかもしれませんね
ことみ の 庭の ガーデニングも かなりの事を一人でやってしまいましたね
芳野は 気を抜くなとか言ってますけど 一目置いているようではありますね
会社にも いい感じに溶け込めているようです

 なんか 前にも見たような光景が・・・ 笑)
こうやって 古河家に遊びに来ているって事は 朋也は 休みの日のようですね
ここまで 秋生が必死なのも 渚に会える時間が減っているかららしいです
たしかに 朝は朝食を作りに行っているし 晩ご飯の時も作って 朋也の部屋で 待っていますからね

 帰り道 渚は何か言いたそうだけど 言いづらそうにしています
朋也も 渚が何を 言いたいのか 分かってて はぐらかそうとしているのかな?
水着の話の後 もう一度 渚に止められ 渚の方に振り向いた時点で 顔が曇っていますからね
もちろん、 渚が言いたいのは 朋也のお父さんとの事ですね
渚は これまでも 何度か 連絡をするようにと 言ってきてたんですけどね
やっぱり 朋也は お父さんとは 連絡を取っていないようですね
以前 ちょっとは関係が改善したのかな? と思う出来事はあったんですが やはり まだまだ 溝は深いようです
渚も 朋也の気持ちを汲んで とりあえずは「いつか」という言葉で 濁しています

 ある日 朋也は 社長から別の会社に 現場監督として移籍しないか? という話を持ちかけられています
今の状態よりも 昇級する形になり 給料も上がるわけですが
朋也としては 骨をうずめる覚悟でいたわけなので 青天の霹靂ですよね
一見「厄介払い」のようにも見えますが おそらく 社長の付き合いなども関係してるんでしょうね
リクエストなどを考えれば 朋也がマッチしていたから 声をかけたんでしょう
まぁ もちろん 拒否っても 今の会社に 居続ける事は可能でしょうし

 吉野が言うには 多少の苦労はあったとしても
家族の事を考えるならば 給料の割りの良い所を考えるのも悪くは無いって事ですね
もちろん 新たな経験 を する事も 大事って意味も含むでしょう

 芳野は 自分の昔の話を始めています、 自分の事とは言って無いけど バレバレですね 笑)
ここからは 芳野 と 公子 の話になるわけですが
なんとなく 朋也&渚 の 関係に似てますよね
ただ 違う所といえば、 芳野は 今の朋也と同じくらいの所から 今までの経験があるって事ですね
これから 朋也が歩むであろう道を 多少なりは 知っているから 語れることですね

 芳野が 音楽を挫折した理由とは
当初は 自分の思うがままに好き勝手にやっていて それが 上手く回り カリスマになれた時期があったんですね
でも そうなってくると 芳野の「歌」 は だんだんと 芳野だけの物では無くなっていく訳なんですね
テレビの企画である施設を訪問した時に
そのため 数え切れないほどのファンの人たちを 支えていかなければならないという 重圧に気付いてしまった
それにあわせ 「本当の現場」を目の当たりにした事で 「自分の浅はかさ」を思い知ってしまった
それらのショックによって 曲を作れなくなってしまった
さらに 追い討ちをかけて 当時の番組企画で会った人物(芳野の曲を楽しみにしていた子)が
傷害事件を起こしてしまうなどが重なり、 それも 自分の責任だと思ったわけですね
「曲を作れなくなった」と「とにかく曲を歌わなければ」という 相反する思いが交錯し
完全に 我を見失った曲しか歌えなくなってしまったんですね
その結果 ファンは居なくなってしまったんですね

 そういう精神状態の時に 芳野 が 犯してしまった罪が 「クスリ」だったんですね
それにより アーティスト生命は完全に経たれてしまった事になったわけなんですね
公子に 「プロになる」と言って 都会に出て行った 芳野
それは 「プロになって終わり」 ではなくて 「プロとして働き抜く」という事なので
再び地元に戻ってくるという事は「失敗した」ということなんですよね

 精神的にボロボロの状態になった 芳野は再び 地元に戻ってきました
もちろん 公子に合わせる顔は 無いですよね
しかし バスから降りた時に、 たまたま通りかかった 公子と 再会します
芳野は 久々に 公子を見て やっと 「歌い続けるべきだった」と言う事に気付きます
やっぱり 全てのファンの人を背負って唄を歌い続ける事は それは 無理なんですよね
「曲」は 自分のためや愛する人のためで良いんじゃないでしょうかね
それに共感してくれる人がいるかどうかということで
実際 当初の「芳野のための曲」に共感してくれる人はたくさん居たわけなんですからね

 ここで 芳野が言いたかった事は
『たとえ 挫折感を味わった場合でも 「何のため(誰のため)なのか」は 見失うなよ』
という事なんでしょう
今 朋也が思っている「会社に残りたい」という気持ちは
自分だけの考えではないのか? 渚の事を考えた場合 それは正しいのかどうなのか?
そこの判断は間違わないように という 忠告なんでしょうね
それにより 朋也は 再考し、 移籍する事を決心したようです
朋也 が 歩きながら 手を差し出すと 渚が 「はいっ」と手を差し出して 手を繋いで歩くシーン
・・・これは もう なんぴと たりとも 入り込めない空間でしたね 笑)

 が、 しかし ここで 大変な事態に
朋也の お父さんが逮捕されてしまうんですね、 なにやら ヤバイものを取引していたようです
結果 移籍先になるはずだった会社からは キャンセルを喰らってしまいます
今の会社 の 社長は 継続して雇ってくれるとは言ってくれています

 バスケの夢が破れたのも 元々は お父さんとの喧嘩の時
渚との 今後の事を考え また新しい事をやろうと夢見た時に
またもや それを 潰されてしまうという結果になってしまいました
朋也 は もうお父さんから「呪われている」 とまで考えています
「この街を出よう」と 渚に言った時、 大抵の事は 「はい」と答える渚が 拒否します
『二人っきりでこの街を出る覚悟はある、 けど 出る時には 前向きな気持ち出なければいけない』
時折ですが 渚は 本当に重い言葉を言いますよね
『そうでないと ここは 帰ってくる場所じゃ無くなってしまいます』もね
おそらく CLANNAD中の 「重いセリフ」の上位は 渚が占めていると思う、 痛いセリフも多いけど 笑)

 翌日 お父さんと面会する 朋也 と 渚
朋也は 顔を見たら 怒りを抑えきれないようでいますが それでも 抑えようとはしてますよね
ただ 表情を変えずに 無言を貫いている お父さんについに 怒りを爆発させ 拘置所を飛び出します

 このシーンから ちょっと 色合いが変わってますよね
夏色は夏色なんですが ちょっと 色合いが薄くなっていますよね、 もちろん 意図的にやってますね
おそらく 怒りで頭に血が上って 周りがあまり見えなくなっている時の 空気 を表現しているんでしょう

 朋也は『右手』こぶしの 皮がめくれる位 ブロックの壁を殴り、 渚の静止も聞かずに さらに 壁を殴ろうとします
多分 右腕を壊そうと したんじゃないですかね
ただ 渚が抱きつき 必死で止めます、 ここの作画 本当に もつれている時の感じが 出ていましたね
体の弱い渚が 強引に朋也を振り向かせ 正面から抱き付き 朋也の顔を 見上げた時の表情は 力強かったですよね
「なーにやってんだか」みたいな感じで通り過ぎるカップルとのコントラストも よかったですね

 芳野の忠告があったにも拘らず やっぱり 一番大切な事(物や人) を 見失いかけた 朋也ですが
渚がいてくれたおかげで やっと我に返った朋也でした
朋也 は もう渚と一緒じゃなければダメだと決意したんでしょうか ついに 渚に プロポーズをします
いやぁ ここもねぇ 上にも 手を繋ぐ所で 書いたとおり
なんぴと たりとも 付け入る事の出来ない プロポーズでしたね
「結婚しよう」の たった一言なのに この前と後では もう 全然 変わってしまうんですよね
こういう 重さのある 告白シーンは なかなか 見れる物じゃないですね
よかったです