金色のコルダ 〜Primo Passo〜 第20話 『涙色のロンド』

 まぁ 無理やり ヴァイオリンを与えた時点で 香穂子が苦しむのは 目に見えてたわけですが
リリに 魔法のヴァイオリンを 返そうとしている時に 月森の言葉が脳裏に浮かぶ
ついでに リリは ノラ猫に襲われてしまう
いや リリ 猫から逃げる時は 上に向かって飛べばいいじゃないか、 何故 わざわざ 横に逃げるかがわからん 笑)
結局 返却は おあずけに

 まぁ 状況を知らない クラスメートや 冬海にとっては 香穂子が 今 辞められても
何がなんだか分からないし、 逆に 裏切られたような感じになるんでしょうね

 志水は 楽譜どおりに正確に弾く事を心がけて練習をしてきた
常にそうやって練習しているから 確かに 技術は相当なものになっているはずなんですが
香穂子の 演奏を聞いてから なんとなく感じた事を 思い浮かべながら演奏すると
これまでよりも ずっといい演奏が出来た
これは 当然楽譜どおりに弾けば確かに ちゃんとした音楽になるけど
そこに いろんな気持ちが篭っていなければ 無機質な物になってしまうわけです
そのことに 志水は なんとなく気づいてるようです、そして 香穂子に感謝の気持ちを持っています

 誰もが善意で言っていることなのに それが さらに重さになっていく
もともと リリに強制的に 渡されて、 たまたま 香穂子の気持ちが ヴァイオリンとシンクロして
周りを驚かせる演奏をしてしまった、 そして 魅入らせた
それに触発されて 周りが本気になってしまったのが 歯車の狂いはじめで
恐れをなした感の 香穂子の気持ちが 違う方向に強く働いてしまって 魔法のヴァイオリンが壊れてしまった
もちろん 香穂子がどれだけ ヴァイオリンの事が好きでも
残念ながら 実力は無いわけだから 4次セレクションで いまさら 魔法なしで弾くわけにもいかない
でも ヴァイオリンを弾いている 香穂子に 魅入ってしまった人たちは 弾く事を求めてくる
これは 相当な 重圧になっているはずですね
柚木の 嫌らしいほどまでの サド攻撃ですら 笑顔で包み込んだ マゾっ子精神の香穂子ですら 笑)
流石に 心が弾けそうになっているようです

 ついに ヴァイオリンを置いて立ち去ろうとする 香穂子ですが 月森が アヴェマリアを弾いている音を聞いて
これまでの思い出が よみがえった 香穂子は やはり ヴァイオリンを 捨てる事は出来なかった
普通の作品なら こういう部分も あっけなく 終わってしまうのですが
「ヴァイオリンとの コルダ=絆」や「これまでの楽しい思い出」や「これまでの苦しみとか」を
じっくり描いてきた 本作だからこそ 非常に 生きた シーンになりましたね

 流石 吉田玲子さん、 重要な所は きっちりと引き締めてくれますね